なぜ Zaim では入社した全社員がユーザーサポート研修を受けるのか #Zaim
はじめに
こんにちは。ユーザー事業部ユーザーサポートチームです。
Zaim ではユーザーサポートチームが主体となり、入社した全社員に「ユーザーサポート研修」というものを受けてもらっています。今日は、その目的や、具体的にどういったことをやっているかなどを紹介しようと思います。
一番の理由は「ユーザーの生の声に触れてほしい」から
さっそく結論から入ってしまうと、Zaim は「どんな職務であろうとも、Zaim を使って暮らしを営んでいる一人ひとりのことを肌身で感じながら業務にあたってほしい」という方針を持っており、「ユーザーに一番近い存在であるのはユーザーサポートである」という考えをもとに、ユーザーサポート研修が誕生しました。
ユーザーサポートの主な業務は、日々ユーザーから寄せられる質問に回答したり、要望を吸い上げて機能開発に活かす提案をすることです。現状、お問い合わせは電話や対面では実施していません。メールもしくは質問フォームからであるため、返信はすべてテキストでです。
お問い合わせには、普段ユーザーの皆さんが Zaim というサービスに対して
疑問に思っていること
ストレスに感じること
改善してほしいこと
など、さまざまな声が寄せられます。
職種によっては、中々こういった「ユーザーの生の声」に触れる機会が訪れない場合もあります。ですので、社員にはユーザーサポート研修を通してユーザーが何を感じ、どう悩みながら Zaim を使っているのかを体感することで、日々の業務がよりユーザー目線で組み立てられるよう役立ててほしいと考えています。
具体的には、研修は以下の 4 フェーズに分けて実施しています。通常、開始から終了までで 2 時間ほどかかります。
研修(1)サポートチームの業務紹介
そもそもユーザーサポートチームが普段どんなことをやっているのか、他の職種とはどういう時に関わる機会があるかなどを説明します。
研修(2)iOS, Android, Web 版の機能や違いを説明
次は、サービスの概要を紹介します。
Zaim は iOS、Android、Web 版と三つのプラットフォームで展開しています。入社直後の社員は、その三つの環境で使ったことがある人はほとんどおらず、また機能をすべて網羅している人はいません。
このため、まずは自身がいつもは利用していない環境から使ってもらう、全体を触ってみて知らない機能があれば質問してもらうなど、サービス全般をざっくり把握する時間を設けます。
また、一般のユーザーと同じように、アプリから問い合わせを送るのを試してもらいます。
研修(3)本物の問い合わせに返信
いよいよ、実際に来た問い合わせに対応します。
Zaim では、ユーザーサポートのためのツールは社内の独自システムを使っています。この管理画面から使い方を説明しつつ、その日に来ている問い合わせをチェック。あらかじめ、ユーザーサポートチームで研修者が返信する問い合わせを決めておき、返信文面の作成・保存までしてもらいます。なお、あくまでも経験してもらうのは文面案を作成するところまでで、実際の送信はユーザーサポートチームのリーダーが確認した後にとなります。
分かりづらい内容の場合は、過去の文例をヒントとして提示したり、方針を決めるためにどういった点に気をつけているかなどを共有します。
研修(4)問い合わせの過去事例を共有
最後に、これまでの問い合わせの中から、ご意見・ご要望のいくつかを例として提示します。文章が極端に短いものから長いもの、込み入った内容、なかなか解決できなかった不具合の原因調査など、なるべく多くのパターンを見てもらうようにしています。
自身の職種に関係がありそうな機能や、興味のある内容などを中心に確認することもあります。
工夫しているのは「推測する力」を養うこと
実際のユーザーからの問い合わせは、明確な質問が書かれていない場合もあります。極端な例で言うと「急に機能が使えなくなりました」というような、漠然とした内容です。
このようなケースでも何に困っているかを推測できるよう、研修者には
どういう状況なのか
何ができなくて困っているのか
最終的にどうしたいのか
ということを考える時間を設けています。
こうした推測する力は、サービス開発や企画など、Zaim で仕事をする上で必要となるスキルです。また、合わせて幅広い問い合わせに触れて「ユーザーによって本当にさまざまな使い方をしているのだな」ということを体感した結果、ユーザーへの影響を自然に想像できるようになると考えています。
ユーザーサポートチームのメリット
ユーザーサポートチームとしては、新しく入社した社員の方がユーザーサポート研修を受けることで、何よりも Zaim というサービスやユーザーへの理解が深めたうえで、業務に携われるようになることが最大のメリットと考えています。
ユーザーがどういう温度感で「使い方がわからない」と悩んでいるのか、「こういう機能があると嬉しい」という期待があるのかというのを肌で感じられると、サービス開発や企画の場面においても「こういう仕様変更や機能追加をすると、こんなお問い合わせが増えそう」といった配慮をしてもらえるようになります。
また、職務の垣根を越えたコミュニケーションが取りやすくなるので、例えば繁忙期など問い合わせが急増した際に、サポートチーム外の社員にも、可能な範囲で問い合わせのヘルプをお願いしやすくなると感じています。
社員からも「業務に生かせる」という声
一方、ユーザーサポート研修を受けた社員からも「やってよかった」というフィードバックを受けています。
問い合わせの具体的な内容を通して Zaim の幅広いニーズや、把握していなかった使い方、および機能が存在していることが分かったという点はもちろん、「ユーザーが生身で使っている」という温度を感じられ、サービスの運営に役立つという声が多くありました。
終わりに
Zaim では職種に関係なく「誰のために仕事をしているのか」という視点を忘れないよう、これからもユーザーの声に耳を傾ける機会を設けていきたいと考えています。
サポートチームとしてもユーザーへの価値を高める気づきをユーザーサポート対応から素早く発見していけるようになるとともに、社内に対しても意識向上のための新しい施策を今後もチャレンジしていく計画です。